2024年版 高校入試情報(山梨県)

山梨県高校入試平均点推移

平均点推移グラフ(5科目総合平均点)

平均点推移グラフ(科目別平均点)

平均点推移(点数表)

※令和6年(2024)度の平均点はまだ公表されていません

国語

出題形式と配点
大問 出題内容 漢字/語句【配点】 文法【配点】 選択【配点】 記述【配点】 合計【配点】
漢字・書写 10問 【20点】 1問 【2点】 0問 【0点】 0問 【0点】 11問 【22点】
表現 0問 【0点】 0問 【0点】 2問 【6点】 1問 【4点】 3問 【10点】
説明文 0問 【0点】 0問 【0点】 3問 【8点】 4問 【13点】 7問 【21点】
古典 0問 【0点】 2問 【4点】 1問 【3点】 2問 【6点】 5問 【13点】
小説文 0問 【0点】 0問 【0点】 3問 【9点】 4問 【25点】 8問 【34点】
合計   10問 【20点】 3問 【6点】 9問 【26点】 11問 【48点】 33問 【100点】
問題の傾向と内容

大問数は例年通りの5問となっています。全体の問題数は33問で、そのうち記述問題は13問でした。これまでに引き続き、記述問題の重要性が高いテストとなりました。文字数に関わらず、様々な記述問題に積極的に取り組み、本番までに力を付けておくことが大切です。全体の配点としては昨年から大きな変更はありませんでした。
作文も「具体的な経験をいれること・文字数は240文字以内」という条件は変わっていません。日ごろから本番と同じ条件で練習しておくとよいでしょう。「作文を書く⇒添削をしてもらう⇒書き直す」のサイクルを何周も繰り返すと効果的です。

【大問1】漢字・書写

例年同様、読み・書きからそれぞれ5問出題されました。普段からわからない漢字は調べて読み・書きともにできるようにしておきましょう。また、丁寧語を謙譲語に書き改める問題が出題されました。敬語は日頃から正しい使い方ができるように意識しましょう。

【大問2】 表現

大問2では、調べたことをスピーチで紹介する文章と、その改善点を考えている状況からの出題。「表現を工夫して伝えること」や「話し方の特徴」を考える問題などが出題されました。 問3ではスピーチの一部を改善する際、自分の立場で考えて言葉を付け加える問題が出題。与えられた情報から、文脈に合うように正しい情報を選び出し、指定文字数内で書ききる必要がありました。文章を読み、要点をまとめる練習をしておくと、字数指定された問題に強くなります。

【大問3】 説明文

「俳句と人工知能」をテーマとした説明的文章の読解問題でした。段落が持つ効果を考える問題、指示語の問題などが出題されました。また、記述問題では筆者の考えをまとめて40~45文字で書く問題が出題されています。文章中から正しい箇所を選び、字数内でまとめる力が必要でした。問5は本文に関わる資料との共通点をまとめるといった複合的な読解力が求められる問題でした。2つ以上ある文章や資料から解答を導く問題が年々増えています。数をこなしてこの形式に慣れておきましょう。

【大問4】 古典

今年は中国の故事をもとにした説話集からの出題でした。現代仮名遣い、書き下し文に直す問題、内容の読み取り問題などが出題されています。基本的な古典の文法や知識はしっかりと復習しておきましょう。古文では、主語や台詞の一部などが省略され、どうしても読みづらく感じてしまうと思います。主語を補うことや省略された内容を推測しながら、読解を進めていきましょう。

【大問5】 小説文

文学的文章の読解問題が出題されました。駅伝大会で先輩の欠場によりアンカーを任された生徒が、自分の番を待っているときの話でした。言葉の意味、心情を表す比喩表現を探す問題、本文中の描写について説明させる問題、表現の仕方について問う問題など、多様な問題が見られました。たくさん問題を解き、わからない語句の意味は調べておきましょう。文学的文章の問題は登場人物の心情を捉えることを意識して読み進めてください。問題も登場人物の心情を問うものが出題されることが多いです。
作文は例年と同じく240字以内で、テーマに沿って自分の体験を具体的に書くというものでした。今年のテーマは「自分の役目や役割を意識して取り組んだことは何か。また、そのことからどのようなことを考えたか。」というもので、普段の学校生活や部活動内での自分の役割を考えると、比較的書きやすかったように思います。作文を書く際は必ず条件を守りましょう。条件が守れていないと減点や不正解になってしまいますので注意してください。

数学

出題形式と配点
大問 出題内容 基本【配点】 標準【配点】 応用【配点】 合計【配点】
計算問題 6問 【18点】 0問 【0点】 0問 【0点】 6問 【18点】
2次方程式、求角、反比例、作図、確率 5問 【15点】 0問 【0点】 0問 【0点】 5問 【15点】
1次関数、方程式 1問 【3点】 2問 【6点】 2問 【9点】 5問 【18点】
データの活用 2問 【6点】 2問 【8点】 0問 【0点】 4問 【14点】
2次関数 2問 【6点】 0問 【0点】 2問 【8点】 4問 【14点】
空間図形、三平方の定理 2問 【9点】 1問 【4点】 2問 【8点】 5問 【21点】
合計   18問 【57点】 5問 【18点】 6問 【25点】 29問 【100点】
問題の傾向と内容

昨年と比較して、問題数の増減はありませんでした。難易度は昨年より若干、易化しています。教科書の基本的な知識・考え方を押さえておけば対応できるストレートな問題が半数を占めている一方で、思考力を試す問題も出題されており、全体としては標準的なレベルと言えます。
問題を難解に見せる文章量・情報量の多さ、そして考え方を説明する記述式問題の出題は例年の特徴となっており、日頃から暗記だけではなく根拠や過程をしっかり考える学習ができているかが問われる内容となっています。全体的にボリュームがあり、設問ごとの難易度差が明らかであるため、ある程度の割り切りと優先順位や時間配分を考えた進め方も重要な要素であると言えます。

【大問1】計算問題

例年通り、基本的な計算問題が出題されました。複雑な計算はありませんので全問確実に正解しておく必要があります。

【大問2】2次方程式、求角、反比例、作図、確率

例年通り、小問集合問題となりました。いずれも基本的な内容での構成であり、大問1同様、全問正解しておきたい問題です。大問1と大問2だけで33点の配点となっているため、ここまでの失点は避けたいところです。

【大問3】1次関数、方程式

問題1は「1次関数」からの出題となりました。文章量の多さに戸惑った受験生も多かったと思われますが、問われていること自体は基本から標準的な内容です。(1)はグラフが表していることを選択する問題、(2)は変域指定での一次関数の式を求める問題でした。(1)(2)ともに複雑な計算やひねりは見られませんので確実に得点する必要があります。
問題2は「方程式」からの出題となりました。なかなか普段の学習では触れる機会が少ない問題形式なので困惑すると思いますが、見た目の複雑さに惑わされないよう、情報を整理しながら読み進める力が求められます。

【大問4】データの活用

「データの活用」からの出題となりました。前問同様、文章量は多めです。資料から情報を読み取って整理し、数値の関係をグラフ・表として捉える必要があります。問題1(1)(2)ヒストグラムから設問に対する答えを求める問題です。計算自体の難易度は高くないので確実に正解したい問題。問題2は度数分布表から解答を導く問題です。文量が多く読みづらいですが、しっかり読解することで難易度はそこまで高くないことがわかります。日頃からデータを比較し記述できるよう、力をつけておきましょう。
大問4は、問題1は必須、できれば2(1)までは得点したいところです。問題2(2)は後回しにしてもよいでしょう。

【大問5】2次関数

大問5は、「2次関数」からの出題となりました。直線式と面積は定番の出題形式です。問題1はy座標を直線の式に代入し、x座標を求める基本問題で、問題2は変域を求める問題です。日頃から練習をしていた生徒にとっては解きやすい問題となりました。
問題3(1)では、面積比を求める問題が出題されました。各点の座標が求められていれば比較的容易に解答できる問題だと思います。(2)は受験する高校によって捨て問とし、できる問題を確実に仕上げることに時間を充てる方が良いかもしれません。ここでは20点中12点以上は得点したいところです。

【大問6】空間図形、三平方の定理

例年通りの「空間図形、三平方の定理」と例年、大問2で出題されていた「円周角」からの出題となりました。問題1⑴は円周角を利用した三角形の合同証明、⑵は円の性質を利用し、解く問題でした。比較的容易なので確実に得点につなげてほしいところです。
問題2⑴は三平方の定理を利用します。⑵は体積を求める問題ですが、各部の長さをしっかり求めることができ、公式を使用すれば問題なかったはずです。(3)は例年通り空間把握力が試される問題でした。求める立体がどのような形になるかをしっかりとイメージすることが正解への第一歩です。

英語

出題形式と配点
大問 出題内容 基本【配点】 標準【配点】 応用【配点】 合計【配点】
リスニング(小問集合) 4問 【12点】 0問 【0点】 0問 【0点】 4問 【12点】
リスニング(メモの完成とイラスト選択問題) 0問 【0点】 4問 【12点】 0問 【0点】 4問 【12点】
リスニング(授業の流れの説明に対する問題) 0問 【0点】 2問 【6点】 0問 【0点】 2問 【6点】
長文読解(対話文) 9問 【19点】 3問 【7点】 3問 【9点】 15問 【35点】
長文読解(スピーチ文) 2問 【4点】 3問 【7点】 6問 【24点】 11問 【35点】
合計   15問 【35点】 12問 【32点】 9問 【33点】 36問 【100点】
問題の傾向と内容

昨年度と同様5つの大問で構成されていました。大問別にみると、【問1】から【問3】まではリスニング、【問4】と【問5】は長文読解という形式で、リスニングが計30点、長文読解は計70点という設問構成でした。設問構成も昨年度と概ね変わっていません。問題数は変わらず、大問5の条件付き英作文の形式も変わりませんでした。その一方で昨年度に比べ、一文一文が長く複雑化している印象でした。
大問5の長文読解は昨年度と同様にスピーチ文でした。特に今年度は長文読解において一文一文が長く複雑化しており、読むことに時間がかかってしまって最後まで解ききることができなかった生徒さんが多かったのではないでしょうか。Invention(発明) というテーマからも、今後もSDGsに関連した内容は増えていくと思われます。また、大問5は単語量が多く、問題の難易度よりも長文を読む時間との勝負になります。来年度以降の入試も単語量・文章量については変わらず多いと思われます。受験生のみなさんは教科書だけでなく多くの英文を読む努力を惜しまず、速読力をつけていってください。

【大問1】リスニング(小問集合)

ここではJamesとLunaという二人の登場人物の対話を聞き、続けて流れてくる質問の答えを選ぶ問題でした。小問1、2、3はイラストから選ぶ問題、小問4は短文を選ぶ問題でした。出題形式、難易度ともに昨年と同程度のものになりました。英語は2度繰り返し放送され、いずれの問題も比較的易しめなので聞き漏らしがないように気を付けましょう。質問文で何が問われているかを注意深く聴きとれるかがポイントです。

【大問2】リスニング(メモの完成とイラストを選ぶ問題)

昨年度から少し変更され、英単語を書いてメモを完成させる問題、英文の要約を選択する問題が出題されました。特にメモを完成させる問題では流れてきた英文を聞きつつ当てはまる単語を書かなければいけないため、大問1よりも難しかったかもしれません。しかし、聞こえた単語をそのまま当てはめるだけの問題だったので、しっかり聞き取ることができれば解答できます。日頃から英文を聞く習慣をつけ、内容が理解できるだけではなく単語を書けるように練習しておきましょう。

【大問3】リスニング(長めの対話文に対する応答)

ここでも昨年度と同様、対話文に関する応答が出題されました。大問3の特徴として、長めの対話文は一度しか放送されません。大問1や大問2のように二度聞くということができないため注意が必要です。ただし設問内容は主語と動詞が変わらず、答えの文から聞かれるであろう疑問詞を予想することができます。例えば問1では選択肢がBecauseで始まる文だけなので、英文ではWhyで聞かれている理由の部分を聞き取るようにしましょう。このようにあらかじめ設問を見た上で質問を予想して解答することが大切です。ここでは設問を見たうえで答えを予想する力、対話文を一度でしっかり理解して状況を判断する力が必要となります。聞きながらメモを残す方法が効果的です。

【大問4】長文読解(対話文)

中学生の男子生徒とオーストラリア出身のクラスメイトの会話を読んで問題に答える長文問題(対話文)でした。例年と同様に本文中の空欄の単語補充問題、単語選択問題、短文選択問題と英作文、そして要約文中の単語補充問題でした。小問が多く、設問文の前後を見れば解ける問題が多いですが、英作文と本文からの短文の抜き出しは、何度も同じ形式の問題を解いていかないと解答は難しいかと思われます。また、リスニング終了後の残り時間を考えると、この大問4は12~13分で解ききらないと次の大問5に割ける時間がなくなってしまうため、時間との戦いにもなります。普段から時間を意識して長文を読み、速読力を鍛えておく必要があります。

【大問5】長文読解(スピーチ文)

高校1年生の生徒が英語の授業で発明(invention(s))について発表したスピーチ文が出題されました。近年は山梨の入試でも環境や技術に関連したテーマの長文が出題される傾向にあります。今後もこのようなテーマに関連した問題が出題される可能性が考えられます。設問4の段落見出しを選択する問題は、あまり見ない問題傾向となるため各段落の要点をしっかり読み取る工夫が必要です。
その他は長文を読んで答えを選択する問題でした。設問の形式も昨年度と同様です。大問4の長文読解との大きな違いは、長文の中身を理解していないと解答が難しい点です。文章内容を理解するため多くの文章を読み、内容を理解する訓練が必要となります。最後の条件付き英作文は、「あなたなら将来のためにどのような努力をしたいと思いますか」という内容でした。英作文は日頃から英語を書くことに慣れていないと、本番で解ききることは難しいと思います。15分以内で解ききる速読力をつけながら、条件付き英作文を解くトレーニングをすることが必要です。

理科

出題形式と配点
大問 出題内容 記号選択【配点】 語句・記述【配点】 数字・計算【配点】 作図【配点】 合計【配点】
生物(中1・植物の分類) 2問 【4点】 2問 【5点】 0問 【0点】 1問 【3点】 5問 【12点】
地学(中2・雲のでき方・日本の天気) 3問 【5点】 2問 【4点】 0問 【0点】 1問 【3点】 6問 【12点】
化学(中1・水溶液の質量パーセント濃度と溶解度) 3問 【6点】 1問 【3点】 1問 【3点】 0問 【0点】 5問 【12点】
物理(中1・音) 1問 【3点】 2問 【4点】 2問 【5点】 0問 【0点】 5問 【12点】
生物(中2・生物の反射) 1問 【2点】 2問 【5点】 1問 【3点】 1問 【3点】 5問 【13点】
地学(中3・天体) 3問 【8点】 2問 【5点】 0問 【0点】 0問 【0点】 5問 【13点】
化学(中3・化学電池) 3問 【7点】 2問 【6点】 0問 【0点】 0問 【0点】 5問 【13点】
物理(中2・電流と磁界の実験) 2問 【4点】 1問 【3点】 2問 【6点】 0問 【0点】 5問 【13点】
合計   17問 【38点】 14問 【35点】 7問 【19点】 3問 【8点】 41問 【100点】
問題の傾向と内容

例年同様、生物・化学・地学・物理の各分野から2題ずつバランスよく出題されました。小問数も昨年度と変わりなく41問出題され、出題形式別に見ると記号選択、語句・記述に重きが置かれていました。計算問題は物理からだけではなく、各分野からの出題が多くなりつつありますが、難易度はそれほど高くないので、基本を押さえ、必ずできるようにしておきたいところです。
大問は、観察や実験を行う形式がほとんどで、それに関連した教科書レベルの基本問題が小問として出題されるという流れを近年同様踏襲しています。また、問題のレベルは比較的易しいものが多いですが、思考力を問う設問が年々多くなってきています。問題文・表・図など、与えられた情報を整理し取り組む形の問題も多くなってきています。学習方法としては教科書・資料集の内容を基本に、授業や自己学習を通じて身近な生活にある理科へ興味・関心を持ち、「思考力・判断力・表現力」を意識して様々な知識を身につけることが大切です。

【大問1・5】生物分野

大問1では、「植物の分類(中1範囲)」・大問5では、「生物の反射(中2範囲)」が出題されました。どちらの単元に関しても、語句・選択問題はさほど難しくはなく、基本内容の知識・技能の理解・定着が確認されています。また、与えられた資料を理解して解き進めていく形式の問題でした。
大問5の2は与えられた資料を活用して問題に取り組む形式になっていました。単純な暗記だけでなく知識同士の関連性や繋がりを意識する必要のある問題や、問題の形式や資料の活用を通じて難易度に変化を与えるような問題が増加傾向にあるように思われます。

【大問2・6】地学分野

大問2では、「雲のでき方・日本の天気(中2範囲)」・大問6では、「天体(中3範囲)」が出題されました。大問2は基礎知識を踏まえた語句や選択問題のため、難易度はそこまで高くありません。
大問2、6ともに与えられた図や表を読み取り解答していく問題も出題されています。与えられた情報をしっかりと理解し、自身の知識とあわせて解答しなければなりません。教科書の用語だけでなく、実験を含めた幅広い知識を養うことが、正解への第一歩であると思わせてくれる問題です。

【大問3・7】化学分野

大問3では、「水溶液の質量パーセント濃度と溶解度(中1範囲)」・大問5では、「化学電池の実験(中3範囲)」が出題されました。与えられた実験および結果を理解して問題に取り組む必要があるため、日々の学習で触れる問題よりもボリュームが多く、設問に取りかかるまでが大変な問題でした。また、設問5では基本的な考え方を用いますが、それらを組み合わせて問題を解く発想力や応用力が求められます。
大問7は、一般的な化学電池の実験に関する問題でした。記号問題・化学反応式は基本的な知識定着ができていれば問題ないと思います。応用的な問題でも学習してきた知識、表や図から読み取れる情報を駆使して解答することができれば難しくないと思います。

【大問4・8】物理分野

大問4では、「音(中1範囲)」・大問8では、「電流と磁界の実験(中2範囲)」が出題されました。物理分野の大問では計算問題がよく出題されます。計算問題は数をこなしておき、パターンに慣れておくと本番で適切な対応ができるようになります。
また、問題によっては必要となる部分を資料から読み取り、自分で整理しながら解答をしなければならない問題など、ただ計算をするだけでなく、与えられた情報を整理・活用し取り組んでいく形式のものが目立ちました。

社会

出題形式と配点
大問 出題内容 語句記述【配点】 選択・数字【配点】 記述論述【配点】 合計【配点】
地理分野 1問 【2点】 7問 【18点】 2問 【5点】 10問 【25点】
歴史分野 1問 【3点】 7問 【16点】 2問 【7点】 10問 【26点】
公民分野 2問 【5点】 6問 【14点】 2問 【6点】 10問 【25点】
総合問題 3問 【9点】 4問 【9点】 2問 【6点】 9問 【24点】
合計   7問 【19点】 24問 【57点】 8問 【24点】 39問 【100点】
問題の傾向と内容

例年通りの問題構成での出題となりましたが、昨年と比較した変化は以下の2点です。
①『語句記述」の問題数が10問→7問に減少し、選択問題が22問→24問に増加
② ロシア-ウクライナ情勢、万国博覧会に関連した問題が出題
基本的な語句の記述以上に状況を考えた上で答えさせる選択問題が多くなっており、単純な用語を答える問題は年々減少傾向にあります。また昨年同様、完答問題の割合が非常に高く、片方のみ正解しても、もう片方を正解しないと点数がもらえないため、より幅広い知識に加え、正確に答えを導き出す力が必要となっています。記述論述形式の問題は、資料に関連しつつ知識を必要とする問題に加え、資料を見ながら地図を完成させる問題が今回加わりました。資料を読んで何を聞かれているのかを理解し、自分の言葉で説明をする力を養っていく必要があります。
全体として、地理歴史公民すべての単元で幅広い知識を蓄え(思考力)、各状況に応じてどの用語を使うかを考え(判断力)、そして自分の言葉で記述する(表現力)、という3技能をバランスよく身につけていくことが社会で高得点を取る鍵となります。
上記を踏まえた上での社会の勉強法として、以下の3点が必要となります。
① まず地理、歴史、公民ともに分野ごとに知識の再確認をし、演習で答えを出す訓練をすること。各単元で偏りなく勉強しましょう。
②たくさんの問題集をやるより、1冊の問題集を繰り返し解いて完璧に近づけること。1冊を完全に仕上げてから次の問題集に手を付けましょう。
③ 問題を読んで語句を答えるだけでなく、語句からその語句の内容を完璧に説明できるようにすること。

【大問1】地理分野

〇テーマ 世界の諸地域と日本の諸地域から関連した地理的事象、地形図
〇出題構成
問1-1で世界地理、1-2で日本の諸地域について、1-3で地形図といった構成でした。選択問題の出題数が増えました。
〇問題構成
白夜が見られる地点など、地球の姿から世界の諸地域まで幅広く出題されました。貿易額や輸出額上位の商品、インターネット使用率から国名を選ぶ問題は例年通りの出題形式でした。国ごとの特徴をしっかり把握しておく必要がありました。
日本の諸地域では甲府市と東京を結ぶ断面を選ぶ問題が出題されました。山梨県を中心とした隣県における地形の断面図がイメージできたかがポイントです。また、温暖である特徴を活かした促成栽培についてしっかり記載できたかも高得点を狙うポイントでした。促成栽培、抑制栽培、近郊農業などはすべて説明できるようにしたいところです。地形図の問題は1問のみの出題でした。地形図は例年出題されるので、地図記号からの読み取り問題や縮尺の問題等しっかり対策をしましょう。

【大問2】歴史分野

〇テーマ 古代から近現代までの資料(カード)に関連した問題
〇出題構成
問2-1では紀元前からフランス革命までの内容、2-2では山梨県出身の小林一三にちなんで江華島事件以後の近現代における出来事からの出題でした。幅広い出題範囲に加え、出題形式も語句の解答から並べ替え、記述など様々となりました。
〇問題構成
昨年度は資料に書かれた内容についての出題で、今年度はカードに記載された内容からの出題となりました。今後もこのような資料やカードから付随する部分についての出題形式に変わりはないと考えられます。問2-1(4)の記述問題は凶作に伴う各藩の対策についての説明でした。穀物倉がどのようなものかをイメージできれば解ける問題だったと思います。問2-2は昨年度と同じような年表からの出題形式でした。問2-2(2)日本での主な出来事からそのとき世界では何が起こっていたのかを記号で選ぶ問題でした。日本だけでなく世界における時代の流れを把握しないと解けない問題でした。記述問題は二分五厘=0.25であることから「地租が3.0%から2.5%に変更された」ことが導き出すことができたかどうかが鍵となりました。今回の大問2では知識をあまり必要とせず、書いてある資料を理解して自分の言葉で記述できたかどうかがポイントとなりました。

【大問3】公民分野

〇テーマ 現代社会、政治、経済について
〇出題構成
問3-1では現代社会、問3-2では政治、問3-3では経済に関連して出題されました。前年度の政治経済の単元に現代社会が追加され、図や資料、地図に関連した問題となっていました。
〇問題構成
語句記述、選択問題、記述問題の問題数については前年度と同じでした。今回特徴的だったのが、ロシアによるウクライナ侵攻についての問題でした。昨年度のSDGsに関連した問題同様、世間で話題になっていることがらに関連した出題が続いています。当日あわてないためにも日々ニュースを確認しておく必要があります。記述問題は、人権と経済に関する問題が2題出題されましたが、どちらも決められた語句の指定がありました。昨年まで憲法と金融に関連した問題が2年連続で出題されていましたが、今年は出題されませんでした。
公民は広い単元から出題されますが、地理・歴史に比べれば覚えるものが少なくなっています。社会が苦手な人は公民が得点源になるように重点的に勉強するといいかもしれません。また多くの学校では公民の授業は入試直前まで行われます。日々の授業で行った部分は忘れないうちに早めに復習をして定着を図ってください。

【大問4】総合問題

〇テーマ 万国博覧会をテーマに地歴公民から出題
〇出題構成
大問4は例年と同様に地歴公民を合わせた総合問題となりました。問4-1で年表に関連させた出題、問4-2で地球環境問題に関連させた出題、問4-3では年表と関連させた選択問題、山梨の農業についての取り組みをテーマとした出題となりました。万国博覧会を軸に出題はされていますが、いずれの問題も解答に万博が直接関わっているわけではなく、問題自体は基本的なものが多い印象です。
〇問題構成
例年通り大問4は地理歴史公民の総合問題となりました。選択問題や語句記述の問題の難易度は高くなく、教科書の内容がわかれば正答できる問題が多かったです。その一方、大問4-1(2)では1867年における薩摩藩とヨーロッパの外交関係についての出題で倒幕というキーワードが出てこないと答えることができない問題でした。さらに大問4-3(3)山梨県の農業が抱える問題を資料から考えて記述する問題では、資料Ⅱにおける課題を資料Ⅲを見てどのように解決させていくかを答えなければならず、非常に難しい問題となりました。
上記のように今年の大問4では記述問題の難易度があがっています。地理・歴史・公民、それぞれをしっかりと学習することが大問4の対策につながります。来年度もホットな話題のテーマが出題されると思いますが、そのテーマが直接設問に関わることはない可能性があります。当日あわてずに問題を読んで解ける力を今から培っていきましょう。

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