こんにちは。東進衛星予備校 伊那北駅前校です!
共通テスト国語解説、後編。
今回は【古典】について、解説していこうと思います。
「受験にしか使わないじゃん」
で、おなじみの古典。「なむ」識別とか絶対に使わない。
ですが、厳然たる事実として、大学受験にはほぼほぼ古典が必要になってきます。
一部の難関大学では、理系の学部でも二次試験で古文が必要になります。
※あまり区別されませんが、古典=古文+漢文です。
「なぜ、古文漢文を学ぶのか?」は触れてもしょうがないのですが、一つメリットを挙げておくと、古典を学ぶことで、「日本語文化の特徴」を理解することができます。
「???」という感じでしょうか。
ここは古典の勉強にも通ずるところなので、しっかり解説していきます。
昔の日本人は、漢詩・漢文によって、多くの知恵を得てきました。島国の我々は、大陸から様々な知識を学んできたわけです。
「戦争ってこうやって勝つのか!」孫氏・兵法
「頑固ではなく、人の意見を聞いて柔軟な上司になろう。」孔子・論語
「人に教えることができたら本当に理解しているという事だよ。」礼記・学記
こんな感じです。
現代の我々もこういった節があるはずです。
「全米が泣いた映画」とか、「台湾で話題のタピオカ」など。
諸外国から文化がやってきて、自国の文化が発展する。この歴史の流れの中に我々は生きています。
ここは日本人である限り、逃れられない宿命です。
しかし、現代における諸外国の文化の経路と、中世・近世の時代の文化の経路は少し違います。
例えば、「全米が泣いた映画」と、「タピオカ」。
これらはどのように日本で広まるでしょうか?
おそらく、マスメディアによって日本語で告知されるでしょう。テレビCM、SNS広告などで、大衆に広く認知されることになります。
また吹き替え版等でそもそもの形を変えて日本にやってくることもあるでしょう。
では一方で、古文を書いていた、中世・近世の時代はどうだったのでしょうか?
これは全く違った入り方をします。
分かりやすく「全中国人が泣いた映画」と、「中国で話題のタピオカ」が入ってくるとしましょう。
いうまでもなく、これは日本語ではなく中国語で入ってきます。これが漢文です。
「これはこういう映画なんです。」
「このもちもちした粒は若い女性をとりこにしていくもので…」
これらを中国語で説明されて、中国語で見たり聞いたりします。日本語字幕も存在しませんし、吹き替えなんてもってのほか。
想像してみてください。
あなたがもし、英語のリスニングに若干の不安を抱えているとして、洋画を見るときに字幕があると集中できないから、吹き替え派だったとします。
気になる彼から初デートに誘われて、お勧めの映画を一緒に見ることになりました。
そこで彼がすすめてきた映画は吹き替え版のないコアな洋画。
「・・・」
彼の趣味、理解できないまま映画は終わりますね。
当時の漢文の入って来かたはこんなイメージでしょう。
しかし現代でも字幕なし、吹き替えなしでも洋画を理解できる日本人がいるように、中国語で説明される大陸の文化を理解できる日本人がいました。
それってどんな日本人だと思いますか?
それが貴族です。
当時は教育の差なんてものではないほど、語学力には差があります。
中国の文化を理解して、勉強できたのは貴族だけでした。ここがかなりのポイントです。
なぜなら、どんな文化も受け取る人間によって伝わり方が変わるからです。
タピオカだって並んで買って、インスタにアップする女子高生がいたり、「意味が分からない」と吐き捨てる男子高校生もいます。
受け取る人間によって、文化の受け取り方は変わる。
では、貴族たちはどんな人間だったのか。
中世の人間たちを今の尺度で測ることは難しいですが、一言でいえば、
「雅」です。
貴族たちは、「雅」。
すぐ月を見上げたり、髪をそったり、「あわれ」という人たちです。
そして、かつ、お金持ちです。
国の中枢の方々で、大衆からの税金を巻き上げて自分たちは漢詩にいそしんだり、香道をしたりするので、
現代人よりはかなり情緒的で余裕があり、悪く言えば暇です。
このあたりの人たちが中国の文化に触れて、余裕もあるから勉強ができて、漢文を理解していったわけです。
貴族の方々は、理論立った漢文を貴族固有の情緒的な考え方で理解して、自分たちの見聞を深めて古文を書いていった。
これが大まかな流れでしょう。
かなり前振りが長くなりましたが、
古文を書いていて、漢文を受け取った日本人は暇で金持ちで情緒的な貴族。
ここがポイントです。
つまり、漢文を理解していった貴族たちが使っていたのも古文なわけです。
ここから急に勉強をしていきます。
古典(古文×漢文)のどちらも悩んでいる生徒諸君。
事実を言います。
古文から勉強した方が効率的です。
なぜなら、漢文は書き下せば古文になるからです。
なぜ古文に書き下せるかといえば、漢文をはじめに受け取った日本人はまだ古文をしゃべっていたからです。
その証拠に、お手持ちの古文の参考書と漢文の参考書の、「受け身」の欄をご覧ください。
完全に接続まで一緒のはずです。
例えば、「怒られる」。いやですね。
「怒られる」を古文にすると、「怒らる」になります。この「怒らる」ですぐに「怒られる」にできるかが古文知識です。
ラ行4段活用「怒る」の未然形+受け身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」。
この古文知識はつけましょう。これができれば、次の漢文もできます。
「被怒」→書き下せば「怒らる」→「怒られる」になります。
古文の場合、順番と読み仮名はわかることが多いので、「怒らる」まではすぐ到達します。
そして接続と助動詞がわかれば、「怒られる」の現代語に到達できます。
こういった流れで漢文を古文化することができますので、古文から勉強することをお勧めします。
ちなみに勉強法ですが、英語と同じです。
単語を覚えて、文法を覚えて(漢文の文法は句法という)、訳す。これができればOK。
さらに、英語より楽です。
物理的に楽です。
英単語は2000~3000words必要なのに対し、古文は多くて300。漢文は100程度。しかも発音はなし。
さらに文法は10個程度で、古文と漢文の文法はほぼ一緒です。
かなりタイムパフォーマンスのいい教科であることは間違いなしでしょう。
古典は「やればできる教科」なのが理解できたかと思います。
サクッと単語を覚えて、文法を終わらせましょう。これで訳せれば、古文も漢文も一石二鳥で得点源になります。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。また次回のブログでお会いしましょう。
東進ではこういった授業以外の情報も幅広く指導していきます。
もちろん、古典の授業もございます。
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追伸
ここまで、「古典」について解説してきましたが、共通テストに関しては触れていませんでした。
なぜならそこまで変更点がなかったからです(笑)
基本的には一緒で、文章が二つ出てきたりもしましたが、センター試験にもみられる問題でした。
ですので、基本的な単語と文法・句法を覚えて、センター試験の過去問を解く、という勉強が王道でしょう。
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