2023年版 高校入試情報(山梨県)

山梨県高校入試平均点推移

平均点推移グラフ(5科目総合平均点)

平均点推移グラフ(科目別平均点)

平均点推移(点数表)

国語

出題形式と配点
大問 出題内容 漢字/語句【配点】 文法【配点】 選択【配点】 記述【配点】 合計【配点】
漢字・漢文 10問 【20点】 1問 【2点】 0問 【0点】 0問 【0点】 11問 【22点】
表現 0問 【0点】 0問 【0点】 2問 【6点】 1問 【4点】 3問 【10点】
随筆 0問 【0点】 0問 【0点】 3問 【8点】 3問 【10点】 6問 【18点】
古典 0問 【0点】 1問 【2点】 1問 【3点】 2問 【8点】 4問 【13点】
説明文 0問 【0点】 0問 【0点】 3問 【8点】 4問 【29点】 9問 【37点】
合計   10問 【20点】 2問 【4点】 9問 【25点】 10問 【51点】 32問 【100点】
問題の傾向と内容

大問数は例年通りの5つとなっています。大問3の配点が少なくなり、そのぶん大問4と5で少しずつ増える形となりました。今年も昨年同様に複数の資料を関連させながら、共通点を探す・対比を行うなどして資料の関係を分析する力を問われました。このような問題に慣れるために山梨県の過去問や全国の高校入試の類似問題に取り組みましょう。 
作文は「具体的な経験をいれること・文字数が240文字以内」という条件は変わっていませんでした。日ごろから本番と同じ条件で練習しておくとよいでしょう。

【大問1】漢字・漢文

例年同様、読み・書きからそれぞれ5問ずつ出題されました。普段からわからない漢字は調べて読み・書きともにできるようにしておきましょう。
漢文は返り点をつける基本的な問題でした。苦手な人は必ず返り点のつけ方を復習しておきましょう。

【大問2】 表現

大問2では、「聞くこと・話すこと」の領域からの出題でした。今回は、「防災について私たちができること」というテーマで学級発表の場面において「話合いの中での役割を考える力」・「話合いの流れから発言の内容を考える力」が求められました。
問3では25字以上30字以内で、【話の内容の一部】の空欄部分にBさんが話合いの流れから発言しようとしている内容を自分の立場で記述する問題でした。今回は「言葉・行動」という言葉を使う条件がありました。普段から条件付きの記述問題の練習をしておきましょう。

【大問3】 随筆

筆者の旅の様子から、期待する気持ちに、思いがけないものに遭遇することの喜びを受け入れられる「隙間」を空けておこうという内容でした。今年の記述問題は大問2と同じように「○○字以上~○○字以内+○○という言葉を使って書きなさい」という出題形式です。さらに今年は、表現技法の問題が出題されました。倒置と体言止めの違いなど、間違えやすい表現技法を区別しておきましょう。

【大問4】 古典

今年は「徒然草」から2つの本文が提示され、関連させて内容読解する問題でした。昨年同様、両方を関連させながら読む必要がありました。例年通り、現代仮名遣いが出題されています。基本的な古典の文法や知識はしっかりと復習しておきましょう。
古文では、主語や台詞の一部などが省略され、どうしても読みづらく感じてしまうと思います。主語を補うことや省略された内容を推測しながら、読解を進めていきましょう。

【大問5】 説明文

昨年同様、本文とは別の文章が用意され、それらを比較して読み取り、記述するという読解力が求められました。速く正確に読む練習をしてください。この傾向は今後も続くと予想されるので過去問を中心に演習を行い慣れておきましょう。文章読解は段落と段落の関係、話題で段落を大まかに分けることができるかなど、普段から文章を論理的に読めているかが大切です。
作文は例年と同じく240字以内でテーマに沿って自分の体験を具体的に書くというものでした。今年のテーマは「人とのかかわりの中でどのようなことを大切していきたいと考えるか。」というもので比較的書きやすかったと思います。作文を書く際の注意点として必ず与えられた条件は守りましょう。

数学

出題形式と配点
大問 出題内容 基本【配点】 標準【配点】 応用【配点】 合計【配点】
計算問題 6問 【18点】 0問 【0点】 0問 【0点】 6問 【18点】
2次方程式、円周角、反比例、作図、箱ひげ図 5問 【15点】 1問 【3点】 0問 【0点】 6問 【18点】
式の値、式による説明、場合の数と確率 2問 【6点】 2問 【8点】 0問 【0点】 4問 【14点】
1次関数 2問 【8点】 1問 【4点】 1問 【3点】 4問 【15点】
2次関数、相似な図形 1問 【3点】 4問 【17点】 0問 【0点】 5問 【20点】
空間図形、三平方の定理 1問 【3点】 1問 【4点】 2問 【8点】 4問 【15点】
合計   17問 【53点】 9問 【36点】 3問 【11点】 29問 【100点】
問題の傾向と内容

昨年と比較して、問題数の増減はなく、出題傾向も概ね同じでした。難易度は昨年より難化しています。教科書の基本的な知識・考え方を押さえておけば対応できるストレートな問題が半数を占めている一方で、思考力を試す問題も出題されており、全体としては標準的なレベルといえます。問題を難解に見せる文章量・情報量の多さ、そして考え方を説明させる記述式問題の出題は例年の特徴となっており、日頃から暗記だけではなく、根拠や過程をしっかり考える学習ができているかが問われる内容となっています。
全体的にボリュームがあり、また設問毎の難易度差が明らかであるため、ある程度の割り切りと優先順位や時間配分を考えた進め方も重要な要素であるといえます。

【大問1】計算問題

例年通り、基本的な計算問題が出題されました。複雑な計算はありませんので全問確実に得点しておく必要があります。

【大問2】2次方程式、円周角、平面図形(作図)、反比例、確率

例年通り、小問集合問題となりました。いずれも基本的な内容での構成であり、大問1同様、全問得点しておきたい問題です。大問1・2だけで合計36点になるため、ここまででの失点は避けたいところです。

【大問3】式の値、式による説明、場合の数と確率

問題1は「式の値、式による説明」からの出題となりました。文章量の多さに戸惑った受験生も多かったと思われますが、問われていること自体は基本から標準的な内容です。(1)は式が表していることを選択する問題、(2)は与式に数値を代入し、問われている条件を満たすかどうかを検証する記述問題でした。見た目の複雑さに惑わされないよう、情報を整理しながら読み進める力が求められました。
問題2は「場合の数と確率」からの出題となりました。(1)(2)共に複雑な計算やひねりは見られませんので確実に得点する必要があります。
大問3は10点以上は確保したいところです。

【大問4】1次関数

「1次関数」からの出題となりました。前問同様、文章量は多めです。資料のタイムテーブルから情報を整理し、人物の位置関係をグラフとして捉える必要があります。(1)は実際の計算ではなく、その解法を説明する記述問題となりました。問われていること自体はグラフの基本的な読み取り方です。(2)は変域における直線の式を求める基本問題。(3)は資料の情報を基にした速さと時間に関する計算問題。(4)は、(3)での正解が前提となり、位置関係をグラフとして考える必要がありますが、計算量が多いためやや難問の部類です。
大問4は、(1)(2)は必須、できれば(3)までは得点したいところです。(4)は時間によっては後回しにしてもよいでしょう。

【大問5】2次関数、相似な図形

問題1では、「2次関数」からの出題となりました。直線式と面積は定番の出題形式であり、日頃から練習をしていた受験生にとっては解きやすい問題となりました。(1)は2つの座標から直線の式を求める基本問題、(2)は分割でも等積変形でも計算量はそれほど変わりません。
問題2では、「相似な図形」からの出題となりました。(1)の証明では、2組の角が等しくなることには気が付いたものの、その表現の仕方で苦労した受験生が多かったかもしれません。(2)は穴埋め選択式で基本的な内容、(3)は相似比を利用する計算問題でした。
大問5は、20点中12点以上は得点したいところです。

【大問6】空間図形、三平方の定理

例年通り、「空間図形、三平方の定理」からの出題となりました。三平方の定理や線分比を利用して面積や体積を求める計算主体の問題ですが、ボリュームがあります。(1)は辺の比から即答できる問題ですので確実に得点が必要です。問2の(1)は線分比を使った面積計算であり、ここまでは確実に押さえておきたいところ。(2)は求める三角形が二等辺三角形であることに気が付くかどうかがポイントです。(3)は例年通り空間把握力と計算力が試される難問でした。
大問6は、15点中7点は確保したいところです。問2(3)は残り時間によっては捨て問とし、できる問題を確実に仕上げることに時間を充てる方が得策でしょう。

英語

出題形式と配点
大問 出題内容 基本【配点】 標準【配点】 応用【配点】 合計【配点】
リスニング(小問集合) 4問 【12点】 0問 【0点】 0問 【0点】 4問 【12点】
リスニング(メモの完成とイラスト選択問題) 0問 【0点】 4問 【12点】 0問 【0点】 4問 【12点】
リスニング(授業の流れの説明に対する問題) 0問 【0点】 2問 【6点】 0問 【0点】 2問 【6点】
長文読解(対話文) 9問 【18点】 3問 【8点】 3問 【9点】 15問 【35点】
長文読解(スピーチコンテストの経験についての随筆) 2問 【4点】 9問 【21点】 1問 【10点】 12問 【35点】
合計   15問 【34点】 18問 【47点】 4問 【19点】 37問 【100点】
問題の傾向と内容

昨年度と同様に、5つの大問で構成されていました。大問別にみると、【問1】から【問3】まではリスニング、【問4】と【問5】は長文読解という形式で、リスニングが計30点満点、長文読解は合わせて70点の計100点という設問構成でした。今年度の設問構成は昨年度とほとんど変わっていません。問題数は変わらず、大問5の条件付き英作文の形式も変わりませんでした。大問5の長文読解は昨年度のfood lossについてのスピーチ文に代わって、英語のスピーチコンテストに出場したKeikoの経験を読み解くものでした。
今年度は長文読解において一つの文章が長く、複雑化していたため例年に比べて設問内容にそれほど変化はなかったものの、読むことに時間がかかってしまい、最後まで解き切ることが難しかった受験生が多かったのではないかと考えられます。単語数が増えていくのは今後も変わりはないと考えられるため、英文を読むトレーニングをしっかりと行い、長文の読解に重点をおくことがますます必要になってきます。

【大問1】リスニング(小問集合)

ここではJimとAnneという二人の登場人物の対話を聞き、続けて流れてくる質問の答えを選ぶ問題でした。小問1と小問2はイラストから選ぶ問題、小問3は机の配置場所を選ぶ問題、小問4は短文を選ぶ問題でした。
小問4は数字が出てきて少し戸惑うかもしれませんが、質問文の助動詞を聞き取れれば解答できます。出題形式、難度ともに昨年と同じ程度のものになりました。英語は2度繰り返し放送するので、聞き漏らしがないように気を付けましょう。

【大問2】リスニング(メモの完成とイラストを選ぶ問題)

昨年度と同様、英単語を書いてメモを完成させる問題、出された英文と等しいイラストを選ぶ問題が出題されました。特にメモを完成させる問題では流れてきた英文をしっかり聞き、当てはまる単語を書かなければいけないため、大問1よりも難しい問題といえます。
しかしながら流れてくる英文からそのまま単語を当てはめる問題になるため、注意深く聞くことができれば解ける問題になります。ただし、聞いた単語を書けなければ得点に結びつけることができないので日々の単語練習を大切に行ってください。

【大問3】リスニング(長めの対話文に対する応答)

ここでは長めの対話文だった昨年のものと異なり、授業の流れの説明の理解を問われる設問が出題されました。授業の流れについては一度しか放送されません。大問1や大問2のようにもう一度聞くということができないため、注意が必要です。設問を予め確認しておき、何と聞かれるか予測をして設問の答えを導きましょう。この単元では一度でしっかり理解して状況を判断する力が必要となります。普段から英語を聞き、しっかり対策する必要があります。

【大問4】長文読解(対話文)

中学生のひろき(Hiroki)とALTのMr.Jonesとの会話を読んで答える長文(対話文)読解でした。昨年と設問の順序が変わりましたが、内容としては同様に空欄の短文選択問題、英作文、空欄の単語補充問題、空欄の単語選択問題、そして要約文中の単語補充問題でした。昨年度と変わった設問が小問5のsomething importantが何を表すのかを本文からの抜き取りをするという問題でした。始めの部分をeach countryでなくI’ve learnedと解答してしまった受験生も多いのではないでしょうか。設問にある通り、内容の箇所を答える必要があるため、注意して設問に取り組む必要があります。
一方で単語の穴埋め問題は、会話に対する応答の問題で、例年と変わらない難易度と設問数でした。ですから、過去問について対策をしっかり行えた場合とそうでなかった場合とで点数の差が大きくなってしまったのではないかと考えられます。英作文と本文からの短文の抜き出しは何度も同じ形式の問題を解いていかないと解答は難しいです。また、リスニングを終えての残りの時間を考えるに、この大問4は12分ほどで解き切らないと次の大問5に割ける時間がなくなってしまうため、時間との戦いになります。普段から長文を読むトレーニングを積み、速読力を鍛えていく必要があり、その中でも文法や単語について聞かれるのがこの大問4であるため、日々の単語と文法力も問われる単元ともいえます。

【大問5】長文読解(スピーチコンテストの経験についての随筆)

高校生のけいこ(Keiko)が英語でのスピーチコンテストに出場した経験とそれによって得られた知見を綴った文章が出題されました。一昨年および昨年と、ここではSDGSに関連した内容が出題されましたので、今回も時事関連の長文出題が予想されておりましたが、それとは異なり、主人公の経験から読み手に学びを与えてくれるような文章となっていました。この大問5の中で設問5が要約文の英単語補充問題、設問6が条件つき英作文、そしてその他は長文を読んで答えを選択する問題でした。小問3が昨年とは変わり、事柄の起きた順番を並べ変えるものとなりました。大問4以上に単語数が多く、読解力が問われる単元となっている一方、大問4に比べると文法に関わる設問は少ないため読むこと、理解することに比重が置かれる単元ともいえます。そのため、多くの英文を、時間制限を設けながら読んでいき、そして内容を理解していく訓練が必要になってきます。
最後の条件付き英作文は、「あなたがこれまでの経験から学んだことについて」という内容でした。英作文についても普段から英語を書くことに慣れていないと本番で書き切るのは困難であるといえます。この大問5を突破するためには15分以内で解き切る速読力をつけながら、残った時間で条件付き英作文を解くトレーニングをしていくことが今後大切になってきます。

理科

出題形式と配点
大問 出題内容 記号選択【配点】 語句・記述【配点】 数字・計算【配点】 作図【配点】 合計【配点】
地学(中3・地球と宇宙) 4問 【9点】 1問 【3点】 0問 【0点】 0問 【0点】 5問 【12点】
生物(中3・遺伝の規則性と遺伝子) 2問 【4点】 2問 【5点】 0問 【0点】 1問 【3点】 5問 【12点】
化学(中1・状態変化) 2問 【5点】 2問 【4点】 1問 【3点】 0問 【0点】 5問 【12点】
物理(中1・光の反射と屈折) 3問 【7点】 1問 【2点】 0問 【0点】 1問 【3点】 5問 【12点】
地学(中1・地震) 1問 【2点】 3問 【5点】 3問 【6点】 0問 【0点】 7問 【13点】
物理(中3・運動とエネルギー) 2問 【4点】 1問 【1点】 2問 【5点】 1問 【3点】 6問 【13点】
生物(中1・植物の呼吸、光合成、蒸散) 3問 【8点】 2問 【5点】 0問 【0点】 0問 【0点】 5問 【13点】
化学(中2・金属の酸化、物質の質量) 1問 【2点】 1問 【3点】 2問 【5点】 1問 【3点】 5問 【13点】
合計   18問 【41点】 13問 【28点】 8問 【19点】 4問 【12点】 43問 【100点】
問題の傾向と内容

例年同様、生物・化学・地学・物理の各分野から2題ずつバランスよく出題されました。小問数も例年並みの43問出題され、出題形式別に見ると記号選択、語句・記述に重きが置かれていたのだと考えられます。計算問題は物理からだけではなく、各分野から出題が多くなりつつありますが、難易度はあまり高くないので、基本を押さえ、必ずできるようにしておきたいところです。大問は、観察や実験を行う形式がほとんどで、それに関連した教科書レベルの基本問題が小問として出題されるという流れを近年同様踏襲しています。
また、問題のレベルは比較的易しいものが多いですが、今回は授業内容として重点を置かれることがあまりない部分での設問が多かったように感じます。問題文・表・図など与えられた情報を整理し、取り組む形の問題も多くなってきています。学習方法としては教科書・資料集の内容を基本に、授業や自己学習を通じて、身近な生活にある理科へ興味・関心を持ち、「思考力・判断力・表現力」を意識して様々な知識を取り組むことが大切でしょう。

【大問1・5】地学分野

大問1では、「地球と宇宙(中3範囲)」・大問5では、「地震(中1範囲)」が出題されました。大問1の月の満ち欠けは、記述問題こそやや難しい問題でしたが、全体的には基本事項を理解していれば解けた問題。その記述問題は「月の観察を記録したノート」から「月食」ということを理解し、月食を「かげ」という語句を使って答える問題でした。
大問5の地震は、表で与えられた数値を使って計算する問題が2問出題されました。表を読み取り、計算方法が分かっていれば解ける問題でした。このような問題を苦手とする生徒さんは多いので、この計算問題を正解すると差をつけられたと思います。

【大問2・7】生物分野

大問2では、「遺伝の規則性と遺伝子(中3範囲)」・大問7では、「植物の呼吸、光合成、蒸散(中1範囲)」が出題されました。どちらの単元も基本的な内容が中心でしたので、解きやすかったと思います。記述問題がそれぞれ1問ずつ出題されました。
大問2の記述問題は、「無性生殖で、代を重ねても同じ形質が現れる理由」を答える問題でした。また、大問7の記述問題は「光が当たるとき、植物が二酸化炭素を吸収することを確認する実験で、葉についてそろえる条件」を答える問題でした。教科書の太字だけでなく、実験・観察での注意事項などもしっかり覚えておく必要があると思わせてくれる問題です。

【大問3・8】化学分野

大問3では、「状態変化(中1範囲)」・大問8では、「金属の酸化、物質の質量(中2範囲)」が出題されました。大問3は、中1で学習する「状態変化」からの出題でしたが、中2で学習する化学変化の内容も出題されました。
大問8は、表から銅と酸素の質量の比を求める問題や酸化銅と酸化マグネシウムの色をそれぞれ答える問題など、読み取る力と知識を必要とする問題がバランスよく出題されました。また計算を必要とする問題は難易度が高めでした。

【大問4・6】物理分野

大問4では、「光の反射と屈折(中1範囲)」・大問6では、「運動とエネルギー(中3範囲)」が出題されました。大問4の光の反射と屈折では、「光の道筋の作図」、大問6の運動とエネルギーでは、「小球をはなす高さと木片の移動距離の関係を表すグラフ」の出題がありました。実験の結果がどうなるのかを知らないとできない問題でした。ここは、日ごろの学習の差が出たところだと思います。

社会

出題形式と配点
大問 出題内容 語句記述【配点】 選択・数字【配点】 記述論述【配点】 合計【配点】
地理分野 2問 【5点】 6問 【15点】 2問 【6点】 10問 【26点】
歴史分野 2問 【4点】 6問 【14点】 2問 【7点】 10問 【25点】
公民分野 2問 【5点】 6問 【13点】 2問 【6点】 10問 【24点】
総合問題 4問 【9点】 4問 【10点】 2問 【6点】 10問 【25点】
合計   10問 【23点】 22問 【52点】 8問 【25点】 40問 【100点】
問題の傾向と内容

例年通りの問題構成での出題となりましたが、昨年と比較した変化は、以下の3点です。
①『記述・論述」の問題数が10問→8問に減少し、配点も30点→25点に減少
② 総問題数が43問→40問に減少し、1問当たりの配点が増加
③ SDGsに関連した問題が出題
特に数字選択の問題は問題数22問と例年と同じくらいに落ち着きましたが、配点が52点と、総得点の半数が選択問題になりました。
また、22問中6問が完答問題となっており、完答問題の割合が非常に高く、片方のみ正解しても、もう片方を正解しないと配点がもらえないため、より幅広い知識を備え、慎重に答えを出す必要があります。
記述論述形式の問題は、資料に関連して、知識も必要とする複合型の記述問題が多くありました。資料を読み解く力、素早い情報処理能力が試されることに加えて、知識も必要となっていることがわかります。
全体でいえることは、地歴公民の幅広い範囲からの出題になりますが、あいまいな知識があっても正解できず、より広く正確な知識が必要ということです。
社会全体の勉強法として、以下の3点が必要になります。
① まず地理、歴史、公民ともに分野ごとに知識の再確認をし、演習で答えを出す訓練をすること。
② たくさんの問題集に手を出すより、1冊の問題集をまず繰り返し解いて完ぺきに近づける。できたら次の問題集に手を付けるようにする。
③ 問題を読んで語句を答えるだけでなく、語句から問題文を考えて、1つの問題から派生してより知識を広げていくということ。

【大問1】地理分野

〇テーマ 世界の諸地域と日本の諸地域から関連した地理的事象、地形図
〇出題構成
出題構成は問1-1で世界地理、1-2で日本の諸地域について、1-3で地形図といった構成でした。
問題数・配点ともに大きな変化はありませんでした。
〇問題構成
昨年までの州ごとに注目して答える問題ではなく、今年は、世界の諸地域から、幅広く出題されました。国ごとの産業用ロボットの割合と、人口、国内総生産からどの国なのかを選択する問題がありました。国ごとの特徴をしっかり把握しておく必要があったと思います。
日本の諸地域では北海道・東北に焦点が当てられました。北方領土の名称を選ぶ選択問題がありました。記述問題では、『やませ』といった単語を文中にいれられたかがポイントで、記述問題でありながらも、知識も問われている問題でした。産業別の資料を読んで都道府県を選ぶ問題は、各都道府県についてイメージがもてているかどうかが問われます。資料にある都道府県ごとの新幹線の駅数からも都道府県をどれか判断することができました。
地形図の問題は毎年同じ系統の問題が出題される傾向にありますので、必ずできるようにして得点源にしたい問題になります。

【大問2】歴史分野

〇テーマ 平安時代から近現代までの資料に関連した問題
〇出題構成
問2-1、2-2では飛鳥時代から江戸時代までの広い範囲からの出題、問2-3では明治時代から近現代にかけて山梨県に関連する対外的な出来事からの出題でした。
〇問題構成
時代から作品を選択する歴史文化の問題が出題されました。文化の問題は毎年出題傾向にあるので押さえておきたいところです。資料に関連して世界の出来事を選択する問題は選択肢の時期が違っていることに気づければ解ける問題でした。並び替え問題は、4つの資料の時代が大きく違っていたので、比較的易しい問題だったかと思います。問2-2の記述問題は知識を問う問題でした。
問2-3からは明治から近現代にかけて出題されました。『文明開化』と答える問題は一問一答形式の問題でした。正誤を問う選択問題が2問ありましたが、消去法を使って選択肢を絞れるかがカギでした。記述問題は資料に関連して条件付きの出題。資料を読むだけでなく、知識も必要な記述問題となっていました。
特に歴史は近世からの出題の割合が多い傾向にあるので、勉強する際、近世から現代は時間をかけて整理して覚えるようにしましょう。語句記述の問題は漢字指定のものが毎年出題されているので、普段から漢字で解くようにしましょう。

【大問3】公民分野

〇テーマ 政治、日本国憲法、裁判、経済、暮らしと社会について
〇出題構成
問3-1では政治に関連して出題、問3-2では経済に関連して出題されました。
出題傾向に大きな変化はありませんでしたが、図や資料を扱って出題されました。
〇問題構成
語句記述の問題は『社会福祉』と答える問題と穴埋めの問題の2題でした。昨年は選択問題6問中3問が完答問題となっていましたが、今年の選択問題は6問あったものの、完答問題はありませんでした。円安円高に関する問題は昨年に続けて2年連続での出題。特に公民は選択問題が出題されやすい傾向にあるので、あいまいな知識だと誤った選択をしてしまいます。記述問題は、憲法と金融に関して2題出題されましたが、どちらも決められた語句の指定がありました。昨年まで選挙に関連した問題が2年連続で出題されていましたが、今年は出題されませんでした。 公民は広い単元から出題されるものになりますが、地理・歴史に比べれば覚える項目は少ないです。社会が苦手な人は公民を得点源にできるように重点的に勉強するといいかもしれません。

【大問4】総合問題

〇テーマ SDGsをテーマに地歴公民から出題
〇出題構成
大問4は例年と同様に地歴公民を合わせた総合問題となりました。問4-1でオリンピックに関連させた出題、問4-2で人権に関連させた出題、問4-3では『持続可能な未来』をテーマとした出題となりました。オリンピックを軸に出題はされていますが、問題と直接関わっているというわけではなく、問題自体は基本的な問題が多かったです。
〇問題構成
地理1問、歴史5問、公民4問の問題構成となっていました。語句記述の問題は『ベルサイユ条約』『ロシア連邦』『冷戦』と答える問題で、現在の社会情勢を踏まえた出題だと感じました。公民の問題で正誤を〇×で問う問題が今年も出題されました。SDGsをテーマにした問題では、発電エネルギーの資料に関連した問題、木材の活用に関連しての問題、食品ロスに関する記述問題が出題されました。
昨年に比べてSDGsに関連性を持たせた問題の割合が大きくなっていたのが今年の問題の印象でした。大問4は大きなテーマをもとに出題されるものの、大問4の対策の勉強といったものではなく、他の大問1から大問3までの地歴公民の勉強をしていれば、自然と大問4の対策になっているものと思います。

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