教室に着任した当初は右も左もわからず、自信のない毎日を送っていました。そんな時、先輩がそっとかけてくれた言葉があります。「成長はゆっくりでいい。焦らず、一緒に頑張ろう」。その一言に、心がふっと軽くなり、そして時間はかかりましたが少しずつ、できることが増えていきました。
それからしばらくして、ある女子中学生の女の子と出会いました。「勉強のやり方がわかんないんです…」。ぽつりとつぶやいたその生徒は、かつての私のように、自信が持てないでいるようでした。
そこで一緒にノートを見直したり、勉強計画を立てたりする中で、気づかぬうちに、私はあの時に先輩にもらった言葉を、その子にかけていました。「成長はゆっくりでいいよ。一緒に頑張ろうね」。するとその生徒は、少し照れくさそうに笑って「頑張ってみます」と言ってくれたのです。
その後、彼女は5教科すべてで成績を上げ、「先生のおかげです」とさえ言ってくれました。そこには、自信までも垣間見えるほど。私のおかげなんてことではなく、間違いなく彼女自身の頑張りが何より大きかったのです。
かつて支えてもらったように、今は私が生徒たちを支える立場。今でも先輩や仲間に助けられながら、私は自分も生徒たちも成長していける歩みをこれからも続けていきたいと思っています。