中学受験を控えていた小学6年生のA君の第一印象は「おとなしく控えめな性格」。初回の面談では本人からの言葉はほとんどなく、お母さまが代わりにお話ししてくださいました。
最初は「時間が経てば慣れて話してくれるようになるだろう」と思っていましたが、実際に授業を担当する中で、A君は「自分の気持ちを言葉にするのが苦手」なのだと気づきました。授業にはとても真剣に取り組んでくれて、学力の伸びは見えてきましたが、将来を見据えると「自己表現の力」も育てたいと思うようになったのです。
思い切って進路面談で本人とお母さまにそのことをお伝えすると、A君は真っすぐに受け止めてくれました。そして、そこから少しずつ、自分の苦手な単元や将来の夢を口にしてくれるようになりました。少しずつですが見られた、そうした変化は今でも私の心に強く残っています。
それからは毎週、自習室に足を運び、自主的に学習に取り組むようにもなったA君。きっとプラスになっているそうした変化(=成長)が実感できた時、この仕事の尊さを改めて感じました。
※本欄では、いずみ塾で学ぶ生徒たちの目標達成に向けた日々の頑張りや成長の様子などを紹介しています。