冬期講習から入塾してくれたある小学生低学年の女の子がいます。とても素敵な性格なだと感じた半面、自己肯定感が低く、入塾時の面談でも保護者様がその点を心配されていました。と同時に、「学力の向上ももちろん期待していますが、まずは塾が『楽しい場所』であってほしい」とおっしゃったことを、今でも印象に残っています。
通塾の最初の頃は不安そうな様子で、入口からなかなか入れないこともありました。そこで私たちは、校舎全体で安心できる環境づくりに力を入れることにしました。
授業では彼女が楽しく九九を学べるよう、工夫した教材を用意し、「褒めて、褒めて、褒めまくる!」を徹底。少しずつではありますが、彼女の表情に笑顔が増え、小さな成功体験の積み重ねが自信へとつながって、自己肯定感を育むきっかけとなっていったように感じました。
ある日、お母さまから「今日は学校で嫌なことがあって元気がなかったのに、塾から出てきたときには明るい表情で驚きました」とお声がけいただきました。その瞬間、彼女の成長を実感するとともに、この仕事のやりがいを深く感じたことを覚えています。
その後も、「塾が楽しいようで、通うのを楽しみにしています」といった言葉を繰り返しいただき、私たちの取り組みが少しずつ実を結んでいることを実感しています。