ある保護者様のご紹介で、受験を控えた冬に一人の中3生と出会いました。以前は他の塾に通っていたものの、様々な事情でやめてしまい、塾に対して少し後ろ向きの意識を持っていたようでした。
そんな中、まずは「やればできる」という実感を持ってほしくて、授業では小さな成功体験を積み重ねることを意識しました。最初は不安もありましたが、成績が少しずつ上がるにつれ、生徒自身にも変化が。自信が芽生え、「勉強って楽しい」と言ってくれるようになったのです。
とにかく、どんなことでも、この生徒の頑張りを正面から受け止め、肯定することを心がけました。その積み重ねが、「勉強している自分」を信じる力につながったのだと思います。前期試験に挑戦することを決めた時も、念のために後期試験の話もしたのですが、「ダメでも次がありますよ!」と笑顔で返され、この瞬間、私は心の中でガッツポーズしました。以前の不安げな姿は、もうそこにはありませんでした。
そして迎えた前期試験で見事、合格を勝ち取りました。この生徒の笑顔とともに、保護者様からいただいた「この塾に行かせて本当によかった」のお言葉が、何よりのご褒美でした。子どもたちの「できた!」が、自信と未来をつくる。そんな塾であり続けたいと、心から思います。