週2回の算数学習からスタートした小5の男子。当初、「九九も怪しいかもしれません」とご相談がありましたが、実際には確かに苦手にはしているようでしたが心配していたほどの遅れはなく、順調に学習を進めることができました。その年の終わりには週2回のうち1回を英語に切り替えるほどになりました。
中学に入ると、「定期テストで合計300点を目指したい」と自分から言ってくれ、中2になったら「「信大の教育学部に行きたい」とより大きな目標を口にするまでに。習い事をやめ、個別も週4回の通塾になりました。そうした気持ちに応えるべく、講師一同もより一層のサポートに努めました。
ただ「努力している様子」は見えるものの、「本気で成し遂げたい」という熱量までは感じられない時期もありました。もちろん宿題や授業にはしっかり取り組み、英語の暗記や数学の応用問題への粘り強さに感心させられる場面が多くあったのも事実です。
転機が訪れたのは、中3の11月に行った進路面談の直後。まるでスイッチが入ったかのように、それ以降は毎日、自主的にフリースペースでも学習するようになりました。何が彼の心に火をつけたのかははっきり分かりませんが、面談で「やるもやらないも、どこでやるかも、自分で選ぶこと」としっかり伝えたつもりです。
入試が近づいた頃、改めて夢を聞くと「数学の先生になりたい」と話してくれました。入塾当初の「算数が苦手」というところから、ここまでに成長したことに、大きな喜びを感じたものです。