中3になる春期講習から、その生徒は継続していずみに通うことになりました。個別指導で英語と数学を受講してくれましたが、わからないときは素直に「わからない」と言ってくれるので、とても見守りやすい存在でした。
中2の3学期期末テストでは5教科の合計が166点だったのですが、中3の最初のテストでなんと330点にまでアップ。今まで見てきた中でも、これほど急激に点数が伸びた生徒は初めてでした。やるべき課題を見つけてあげ、目標に向かってお互いが全力で取り組めば成績は伸びるということを、まさに体現してくれた生徒と言えます。
この生徒で印象に残っているのは、学力アップに関わることだけではありません。授業が終わって教室を出たとき、トイレの電気がついていれば消してくれ、便座のふたが開いていれば「ふたを開けておくと運が逃げちゃうんだよね」と言って閉めてくれるのです。フリースペースの机に残っていた消しゴムのくずを集めてゴミ箱に捨ててくれたこともありました。
きっと、ご家庭での教育で身についたことだと思いますが、成績云々よりも「本当に素直で、いい子だな」と感じさせられる行動でした。
その後、成績は上がるばかりではなかったですが、「塾は唯一の居場所」と言って足を運んでくれたのです。そして志望校を決めるときも、自分できちんと考えて私立を選び、進路を自分でしっかりと選び取りました。新しい環境で新しい一歩を常に踏み出しつつ、自分の道を切り拓いていってほしいと願わずにはいられません。