彼が塾に入ってきたのは中3の夏休み。勉強のやり方が定まっていないのか、そもそも勉強量が足りていないのか、思うように成績が伸びずに悩んでいるようでした。
私は主に入試対策演習の数学と理科で彼と関わりました。授業中に積極的に発言するタイプではなく、静かに受けている印象が強かったですがある日、理科の授業後、初めて私のところに質問に来たのです。その時どう答えたのかは正直あまり覚えていませんが、彼が満足そうに帰っていった表情だけは、今でもはっきり記憶に残っています。
それ以来、彼はたびたび理系の質問をしてくるようになりました。中には鋭い問いもあって私自身、頭を悩ませながら自分の知識を総動員して考え、答えを提示するよう努めました。のちに彼は「知っていることだけじゃなくて、知らないことでも一緒に考えてくれたことがうれしかった」と話してくれたのです。そしてそれが、彼が理系の知識をもっと身につけたいと思うきっかけになったとも言っていました。
高校受験後も、彼は季節講習に参加し、日々の生活の中で生まれた疑問をまとめて私に投げかけてきます。その質問内容もレベルが上がり、彼の成長を感じずにはいられません。
日々の積み重ねが内にある可能性を引き出す―。そんな経験を通して、自分との関わりが誰かの価値観を変えるかもしれないという責任と覚悟をもって、日々生徒たちと向き合っています。
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