中学受験を経験したある小6の女子生徒についてです。私が新しい校舎に赴任して間もなくだったこともあり、当時は塾に来る生徒一人ひとりに割と時間を割いて話しかけていました。彼女はその中でもとりわけおとなく、控えめな印象でした。
私が声をかけてもうなずくだけで、なかなかうまくコミュニケーションが取れません。この頃は受験まで8か月余り。模試の成績が伸び悩んでいたため、保護者様を交えて面談を設定し、習慣づけとして自習に来ることを提案したり、来た時にわからないことは質問をするよう伝えたりしていた時期です。
しかしお父様いわく、「自習は絶対にイヤ」なのだとのこと。本人に理由を聞くと、「塾だと緊張するから」だそうです。何より塾でそのような思いをさせてしまっていることを深く反省しました。
どうすれば自習に来やすくなるか、質問しやすくなるかを考えた結果、中学受験をする友だちと一緒に自習に来ることを提案。授業のない日に来るのではなく、まずは授業のある日に、授業時間より30分でも早く来て自習をしてみるよう勧めました。
具体的な提案だからよかったのか、そこから必ず授業前は早く来て自習をするようになったのです。そして質問もしてくれるように。出会った頃のおとなしかった印象がなくなり、自分から話しかけてくれるようになった変化がとてもうれしかったのを覚えています。
試験本番前の2か月間は、受験生を集めて毎週土曜日に勉強会を実施しました。ひたすら過去問を解いてもらったのですが、彼女も参加してくれました。その努力が模試の結果にも現れ始め、4教科合計で70点以上も伸ばすことができたのです。
そして、無事志望校に合格。成績だけではなく、彼女には人間的にも成長を感じた1年でした。これからもすべての生徒にとってより通いやすく、質問しやすい環境づくりを目指していきたいと思います。
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