ある時、中学受験を目指す小6生と出会いました。その男子生徒は算数が苦手で、でも得意な科目にばかり取り組み、苦手分野からは目をそらしていたのです。私を含め、全スタッフが、何とか彼に算数への苦手意識を克服してもらおうと、個別に声をかけたり、励ましたりしながら寄り添いました。
転機となったのは夏の合宿です。彼は皆と同じように熱心に勉強に取り組み、ここでは算数にも積極的に挑戦していました。問題が解けずに涙を流したこともあり、それでも机に向かい続ける姿に心を打たれたものです。残念ながら、結果的に志望校には合格できませんでしたが、この合宿以降、苦手なことから逃げないようになり、勉強に取り組む姿勢が大きく変わりました。挑戦を続けることで、できないことができるようになっていくような手応えや感触が、きっと大きなモチベーションになったのでしょう。
彼が苦しみながらも挑戦し続ける姿を見て、私自身も「生徒たちの力になりたい」と強く思ったことを鮮明に覚えています。この経験が、教育の現場に立つ自分の気持ちを支えてくれています。
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